仮想通貨とは何か

仮想通貨とは

仮想通貨とは、簡単に説明するとインターネットの世界で発行され、取引等に使われる暗号化されたデジタル通貨であり、仮想通貨は、パソコンやスマートフォン等で見る数字だけで、硬貨や紙幣のような形がない通貨なのである。仮想通貨は、別名暗号資産ともいわれている。仮想通貨から暗号資産へ名称が変更された理由として、2018年に行われたG20サミットにおいて、「仮想通貨は通貨としての特性を欠いていると指摘され、国が保証している仮想通貨法定通貨にはほど遠く、流通体制や管理体制が脆弱すぎると問題になったことである。また、反社会的組織による資金洗浄や課税の逃げ道になることなども問題となっており、その対策として、通貨と明確に区別するために暗号資産(Crypto Asset)と名称変更されたのである。そして、国際的な名称変更に合わせて、日本でも暗号資産に改称することが、2019年5月に成立した改正資金決済法によって定められた。[1]

仮想通貨の定義

仮想通貨は、「資金決済に関する法律」において、次の性質をもつものと定義されている。

「 1. 不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる

  2. 電子的に記録され、移転できる。

  3. 法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない    [2]

仮想通貨は、国や中央銀行等が発行しておらず、開発者によって管理、発行されており、国や国家組織が価値を保証する通貨ではない。流出などのハッキングや詐欺被害にあっても補償してくれる機関はない。また、詐欺被害にあっても返金率が低く、被害届を出しても受理してもらえない場合がある。金取引の場合は、現物でその価値が保証されており、株取引の場合は、株式を発行している企業が保証していることになるが、その企業が破産・倒産すれば価値がなくなる。よって、仮想通貨は、自己責任で仮想通貨の取引や運用をしなければならないのである。つまり、価値を保証された通貨でもなければ、法定通貨でもないため、仮想通貨を通貨として、また、投資対象として保有する場合には、自己責任で仮想通貨を保有しなければならないのである。そして、詐欺やハッキング被害にあわないためにも、最低でも金融庁や財務省、暗号資産協会に登録された暗号資産交換所・取引所を使うべきである。現在、仮想通貨の中で一番有名で最も取引されているのはビットコインである。ビットコインは、2009年に世界で最初に作られた仮想通貨であり、仮想通貨市場内の時価総額では最大である。そして、ビットコイン以外のほとんどの仮想通貨は、ビットコインの価格変動から影響を受けており、ビットコインは、仮想通貨市場では中心的な存在なのである。

[1] [堀龍市, 2019/12/25]参照先: 暗号資産の基本と仕組みがよくわかる本

[2] [日本銀行, 日付不明]参照先: 仮想通貨とは何か