web3とは、人間だけでなく、機器やセンサー、システム同士が繋がり、データを共有・利用し、世界中のあらゆるものを一つのシステムでつなぎ合わせることができるインターネットの次世代を指します。これにより、現状で抱える情報の非対称性の問題を解消し、改ざんができない信頼性の高い取引が可能になるとされています。
従来のWeb2.0では、ユーザーは主に情報の消費者であることが一般的であり、情報が集中的に管理される「中央集権的」な構造でした。しかし、Web3では、P2P（Peer-to-Peer）ネットワークとブロックチェーンを活用し、中央集権的な管理システムではなく、分散型のデータ管理を可能にすることで、より個人主義的で分散化された情報環境を実現しようとしています。
Web3の主要な技術はブロックチェーン、P2Pネットワーク、分散型ストレージ、分散型アプリケーション（dApps）などです。
ブロックチェーンは、分散型台帳技術の一種で、複数のコンピューターによって運営されるネットワーク上で、取引履歴などの情報を記録する仕組みです。中央集権的な管理システムとは異なり、ブロックチェーン上で管理される情報は改竄が不可能で、高いセキュリティ性が確保されています。これにより、Web3ではより高度なセキュリティと信頼性のあるデータ管理が実現され、取引を始めとするあらゆるプロセスが効率的に進められるようになります。
また、P2Pネットワークは、直接つながった個々のコンピューターを、情報やデータが分割された状態で持ち寄り、動画や音楽などの大容量データの共有に役立つ技術です。これにより、主に大規模な内容の情報にアクセスする場合に、Web2.0のような中央集権的な管理システムに依存せず、より分散化された環境で情報を共有することが可能になりました。
一方、分散型ストレージは、P2Pネットワークの一種で、複数のユーザーが所有する空き容量を利用してデータを保存する技術です。この技術を使用することで、情報やデータが一箇所に集中することなく保存・保管されるため、安定性・耐久性が向上し、情報を保持するコストやリスクが低減されるとされています。
そして、dAppsとは、分散型アプリケーションのことで、P2Pネットワークやブロックチェーンなどの技術を活用して、中央集権的なサービス（例えば、ソーシャルネットワークやECサイトなど）を分散させたアプリケーションのことです。ブロックチェーンを使用したdAppsなら、利用者による投票や取引が安全かつ透明に行われ、不正を防ぐことができます。また、分散型ストレージを使用したdAppsなら、ユーザーが所有するデータを安全に保管し、自由に共有することができます。dAppsを使用することで、より効率的で公正なサービスを提供することが可能になります。
Web3の普及には、ビジネスの領域でも重要な役割を担います。従来のビジネスモデルでは、企業や組織が中心となって、情報や財産が管理されていました。しかし、Web3では、情報や財産がユーザーや利用者の手元に分散的に保管・管理されるため、企業や組織が保有する情報の価値は低下し、代わりにユーザーや利用者の所有権が重要視されます。
このような変化により、ビジネスモデルはよりオープン化され、新しいビジネスチャンスが生まれることが期待されています。例えば、dAppsを活用した取引プラットフォームが誕生することで、中小企業や個人事業主が、従来はパワーバランスの不利な状況であった大企業とも等しく取引が可能になるとされています。
Web3の普及には、まだ課題があります。現行のインターネットに比べ、Web3の技術はまだ未熟であるため、課題解決に向けて技術の発展が待たれます。また、ブロックチェーンやP2Pネットワークなどの技術をより安全・安定的に導入するため、セキュリティと規定の整備も必要です。
しかし、Web3は、今後ますます重要性を増すことが期待されています。情報の透明性や財産所有権の移転、新しいビジネスチャンスの創出など、多くのメリットがあり、社会に大きな変化をもたらす可能性があります。
