為替業務について

為替とは、専らに占有権の移転、もしくは占有代理人の変更の目的として、依頼人から資金の寄託を受ける行為のことを為替という。占有権の移転とは、資金を、a名義の口座からb名義の口座に、移したいといった事例を占有権の移転といい、また、もう1つ専有権の移転もしくは占有代理人の変更というのは、資金をx銀行の口座からy銀行の口座に移し替えるといった事例である。以上のことをもって、専有権の移転、占有代理人と変更といい、為替の目的というのは、専有権の移転や占有権占有代理人の変更を目的に依頼人から資金の寄託を受けるということである。

占有権(Possesio Iusta)とは、特定のRes(物)を所有すべきもしくは占有するべき権利 ということになる。金本位制における通貨である金地金や金貨が、物理的な実体を伴ったres corporales(有形物)であるのに対して、pure credit economy 純粋信用経済における通貨である資金は、物理的実体を伴わないres incorporales(無形物)であり、預金受入機関の貸借対照表に負債(債務)として記載される債券である。貸借対照表に預金受入期間の貸借対照表に負債として記帳される債券というのは、資金を持っている人から見れば債権、預金受入機関にとっては債務ということである。

日本の民法における占有の概念について、日本の占有権というのは、ドイツ法の影響を受けているということがある。民法180条 占有権は、自己ためにする意思をもって物を所持することによって取得する。私たちがpure credit economy 純粋信用経済が世界に生きているが、pure credit economy純粋信用経済が通貨としての役割を果たしていることをファンズと言う。このファンズトというのは、res incorporalesであり、無形物である。そうすると、日本の民法上は占有というのは準占有ということになり、民法205条に規定で、この章(占有権)の規定は、自己のためにする意思をもって財産権の行使をする場合について準用するということであり、res corporales(有形物)であっても、res incorporales(無形物)であってもいいが、後者の場合には、占有という言い方ではなく、準占有という言い方が日本語では適しているのである。日本の民法の規定の中で、為替の話に密接に関係のある部分の中で、まず民法181条 占有権は、代理人によって取得することができる。182条 占有権の譲渡は専有物の引き渡しによってする。第2項 譲受人又はその代理人が現に占有物を所持する場合には、専有権の譲渡は、当事者の意思表示のみによってすることができる。184条 代理人によって占有する場合において、本人がその代理人に対して以後第3者のためにその物を占有することを命じ、その第3者がこれを承諾した時は、その第3者は、専有権を取得する。貴金属や原油・穀物などいわゆる市況商品(Market commodities)等の取引では、売主から買主に売買の目的物を直接受け渡すことに変えて、商品を倉庫業者に企画して、占有移転により商品を受け渡すという商習慣がある。為替もこの類似の取引というように考えることができる。市況商品Market commoditiesというのは、常設市場で定期的かつ大量に取引される、等質な財を市況商品と呼んでいる。市況商品の取引というのは、最近日本ではあまり見られなくなってしまった。今まであった東京商品取引所の取引の大部分が、大阪取引所に移管されてしまったりしたおかげで、実際に物を引き渡すというような市況商品の取引というのは、現在、例外的にしか行われていないというような状況になっている。 しかし、世界的には、この市況商品のマーケットというのは、ものすごく巨大なマーケットである。どんな市況商品があるのか紹介すると、まずGrain穀物では、Soybean 大豆・Cornトウモロコシ・Wheat 小麦・Rice 米、Softs農産物では、Coffee コーヒー・Sugar 砂糖・Cotton 綿花・Rubber 天然ゴム、Metals金属では、Gold 金・Silver 銀・Platinumプラチナ・Copper 銅、Energy 石油では、Crude 原油・Crude ガソリン・Gasoline 灯油・Heating oil 天然ガスなどが取引されている。市況商品の売買では、目的物を創庫業者に寄託して、占有移転によって受け渡しをする。売買契約において、目的物を倉庫業者に寄託し占有移転により受け渡す時、受寄者である創庫業者は占有代理人と解することになり、この場合の占有移転は、民法184条が規定する指図による占有移転 ということになる。民法181条 占有権は、代理人によって取得することができる。184条 代理人によって占有する場合において、本人がその代理人に対して以後第3者のためにその物を占有することを命じ、その第3者がこれを承諾した時は、その第3者は、専有権を取得する。